夏が来るたび思い出すのは まだ幼かった僕らのこと

影法師追いかけ遊んだ 今ではもう遠い日のこと

あいつがいつも鬼になると 誰もつかまえられなかった

わざとつかまえられてみれば 得意げな顔で笑った

 

遊び疲れた僕らは 少しだけ休んで

歩いて帰ろうかと自転車おしながら 並ぶ影 

 

夏の空は赤く染まって また明日も晴れてくれますように

帰り道 夜空に変わる 瞬間 終わりを急かされるように

「な今日も楽しかったな 夏祭りももうそろそろだよな」

帰り道 そんな話 なんてことないけどあの夏の日

 

夏祭りの夜店の明かりを待ち合わせにして集まった

さあどこから見てまわろうか いつもとは違う町の中

僕らはどこまでも歩いた 喧騒の中もかまわずに

 きっと僕らはいつまででも 変わらないでこのままだよな

 

夏の終わり 花火あがって 夜空に光の雨が溶けてく

いつまでも見ていたいけど

「じゃあ、もう行くね。」ってきみが言って

まだ花火は終わらないけど またねって僕らそこで別れた 

八月のそんな思い出 なんてことないけどあの夏の日

 

 

時が流れ大人になって こんなときにだけ思い出して

あの頃と今の僕とじゃ なにか変わってしまったのかな

 

 

あの日ぼんやりと眺めていた 月の形も星の名前も

思い出せなくなるんだろう それが少しだけ悲しくて

移り変わる季節の中で 置いて来たものと変わらないもの

思い出せなくなる前に 忘れたくないから 残しておくから